サイズ:30×24/60×54㎝
材質:紙・ペン
※東京美術倶楽部鑑定証付
藤田嗣治は戦前からフランスのパリで活動し、日本画の技法を始めとした独自の表現を油彩画に取り入れることで唯一無二の存在感を放ちました。エコール・ド・パリを代表する画家の一人であり、今なお国際的に揺るぎない評価を受け続ける画家の一人です。
本作品は、女性の様々な表情を速筆で描写していることから、実際のモデルを前にして描いたものと思われます。上から絵の具を塗り重ねた油彩作品では感じることができない藤田の生々しい手の動きが感じられるのは、このような素描作品ならではの特徴です。画像では伝わり難いですが実際に紙面を前にすると、紙の表面のわずかな凹凸などからそこに藤田の息吹すら感じられるかのような感動がこみ上げて来ます。
・藤田嗣治(つぐはる)…東京生。渡仏し、乳白色の絵肌に線描する独自の作風を生み出し、一躍パリ画壇の注目を集めた。終戦後再び渡仏し、フランスに帰化する。カトリックの洗礼を受けてレオナール=フジタと改名する。昭和四十三年歿。