鈴木皓詞 著 【宮帯茶人ブックレット】
奇兵隊を率いた高杉晋作と親しく、激動の幕末を瀕死の重傷を負いながらも生き延びた井上馨は、外務卿・外務大臣・農商務大臣・内務大臣・大蔵大臣と維新政府の要職を歴任した。外務卿時代に鹿鳴館を建設し、不平等条約改正交渉にあたったことはあまりにも有名である。殖産興業にも努め、特に三井財閥とは密接な関係をもったため、世論では批判的な見方をされることも多かった。
本書では、以外と知られていない近代数寄者「世外」としての側面に注目し、その茶の真髄に迫る。八窓庵の席披きでは明治天皇に献茶し、天覧歌舞伎において演劇の近代化を図った。そのコレクションは第一級かつ膨大で、特に、茶席に密教美術を持ち込んだ大立者、益田鈍翁の大師会の後ろ盾としての役割に注目した独自の見解は注目に値する。
【目次】
第一章 幕末から明治へ
世外の生きた時代
高杉晋作から学んだもの
長州征伐のいきさつ
武装恭順は長州人の負けず嫌いを表す
開明派の井上馨 刺客に襲われる
高杉晋作の死と薩長連合
第二章 近代数寄者たちの登場
市中に仏画と茶道具が出回る
藩主酒井忠義にみるコレクターの権謀術数
世外の開眼は「祥瑞の向付」から
財界で茶道具熱高まる
孔雀明王画像と十一面観世音菩薩画像
益田孝に譲られた十一面観世音菩薩
尾去沢銅山事件
第三章 大物数寄者井上世外
八窓庵の席披きと天覧歌舞伎
弘法大師参籠執筆の不動明王図像を下賜される
大師会と大師自筆の座右銘
還暦の連続茶事
金沢茶家名品歴訪
遺された名品の数々
第四章 井上世外は革命家であった
繊細と大胆の両面
長州人特有のバランス感覚
追悼茶会の道具立ての妙味
鈍翁が「初祖菩提達磨大師」を掛けた意味
井上馨(世外)と益田孝(鈍翁)の深い関係
世外から鈍翁に伝えられたもの
【著者紹介】
鈴木 皓詞 (すずき こうし)
茶道研究家。日本大学芸術学部卒業。在学中より裏千家の茶の湯を学ぶ。
著書に『益田鈍翁 風流記事』(淡交社)、『近代茶人たちの茶会』(淡交社)、『茶の湯からの発信』(清流出版)、『茶の湯のことば』(淡交社)、『物に執して』(里文出版)などがあるほか、茶の湯や美術に関する文を諸誌に掲載している。
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