第25回茶道文化学術賞受賞作!
(公益財団法人 三徳庵 主催)
齋藤康彦 著
万延元年(1860)甲斐山梨の地主・雑穀商の次男として生まれた根津青山(嘉一郎)は、東京十二商品取引所をふりだしに、東京電灯・帝国石油などさまざまな企業の重役となり、特に鉄道に関しては東武鉄道・東京市街鉄道・南海鉄道・南朝鮮鉄道など四十社を数え「鉄道王」と称された。生涯に関わった会社は百三十社を超え、一代で根津コンツェルンを築き上げる。
本書では、実業家根津の、一流の数寄者・目利き・コレクターとしてのもうひとつの素顔に迫る。
美術報国の理念のもと道具争奪戦にも加わった根津の、高橋箒庵(義雄)等十三種の茶会記を情報源とする人物交流・茶室・茶道具・古美術品のデータベースの分析を基に(付表36点)、経済学者ならではのアプローチでその実像を明かす。
【目次】
序章
問題意識と資料
本書の構成
根津嘉一郎の生涯
第一部 根津青山の茶界
第一章 茶の湯と古美術
はじめに
茶会記録
書画骨董の人脈
根津青山と道具商
第二章 茶の湯の交流
はじめに
根津青山の招客
茶客根津嘉一郎
茶友の社会的地位
第三章 近代数寄者の事業
はじめに
大師会と光悦会
霊宝館と平家納経
「大正名器鑑」の人脈
第二部 根津青山の数寄世界
第四章 『青山荘清賞』の世界
はじめに
根津の鰐口
道具争奪戦
コレクターとしての位置
第五章 古美術品と茶道具
はじめに
「青山好み」
「大正名器鑑」の蒐集
道具組み評判記
第六章 青山流茶の湯
はじめに
市中の山居
箒庵と幻庵の茶評
根津青山の懐石
衆と楽しむ──おわりに
図表一覧/参考文献/略年譜/人名索引
【著者プロフィール】
齋藤 康彦 (さいとう やすひこ)
1947年生まれ。山梨大学教育学部卒業、東京教育大学大学院修士課程終了、筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。
山梨大学教育学部講師、助教授、教授を歴任。2013年退官。現在山梨大学名誉教授。
専門は近代日本経済史。
著書に、『産業近代化と民衆の生活基盤』(岩田書院、2005)、『地方財閥の近代 甲州財閥の興亡』(岩田書院、2009)、『近代数寄者のネットワーク 茶の湯を愛した実業家たち』(思文閣出版、2012)など多数がある。
四六判 424頁 口絵カラー8頁 上製
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