齋藤康彦 著
物云う数寄者の「新茶道」
「今太閤」とも呼ばれた近代実業家が提唱した新しい茶道とは?
阪急総帥にして宝塚歌劇や東宝の創始者、小林一三(いちぞう)(逸翁/いつおう)は、小説を書き、俳句を作り、美術品を収集し、茶の湯を愛した文化人でもありました。
茶の湯や茶道具を愛する近代数寄者として、時代に即した茶の湯のあり方を得意の文筆でさまざまに主張、権威にとらわれない大衆のための茶道を提唱しました。
今では珍しくない椅子席の茶席を最初に実践したのも逸翁。
形式ばった懐石料理を改革し、ときには丼どんぶりひとつとしたり、洋食を取り入れたり。
また、商工大臣として外遊した先々では洋食器を買い求め、それを茶入や水指などの茶道具に見立てて茶席で使用するなど、創意工夫と合理精神は、その経営手腕と通じるものがあります。
茶人としての小林逸翁の側面を描いた書籍は従来なく、本書では、近代日本経済史を専門とする著者によるデータベース分析により、茶の湯を通した交流関係、使用した道具や嗜好、購入価格などに、数字からも迫ります。
逸翁が買った茶道具が現代の時価でいくらに相当するかなどもわかり、面白いところです。
同じく甲州財閥出身で「東の鉄道王」だった根津嘉一郎の茶人としての側面に光を当てた『根津青山 「鉄道王」嘉一郎の茶の湯』(2014年)に続く、同著者による意欲作です。
【目次】
はじめに―小林一三の紹介
第1章 数寄の世界へ
第2章 小林逸翁のネットワーク
第3章 茶友の群像
第4章 小林逸翁の茶の湯
第5章 逸翁の茶道観
おわりに
【著者プロフィール】
齋藤康彦(さいとう やすひこ)
1947年生まれ。筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。
山梨大学教育学部講師、助教授、教授を歴任。山梨大学名誉教授。専門は近代日本経済史。
著書に、『産業近代化と民衆の生活基盤』(岩田書院)、『地方財閥の近代 甲州財閥の興亡』(岩田書院)、『近代数寄者のネットワーク 茶の湯を愛した実業家たち』(思文閣出版)、『根津青山 「鉄道王」嘉一郎の茶の湯』(宮帯出版社)など多数。
四六判 上製 404頁
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