深谷信子 著 【宮帯茶人ブックレット】
文治の才と教養を生かして幕府を支えた能臣と、寛永期文化人たちのネットワーク
幕府が武断から文治へと舵を切りつつあった江戸時代前期にあって、幕閣として、また領主として、朝幕を取り結び、民政に力を尽くした永井尚政。彼の切り札は、茶の湯によって築かれた人脈だった。
永井尚政は、江戸幕府2代将軍秀忠に側近として仕えて老中となり、3代家光の下では山城淀10万石の藩主となって幕府の畿内支配を担った大名である。教養豊かな人物で、歌人の佐川田昌俊を家老として遇したほか、茶の湯を古田織部に学び、小堀遠州・松花堂昭乗ら一流の文化人たちと親交を結んでいた。老中クラスの要職を務め、かつ茶人といえるほど茶の湯に通じた人物は、彼と井伊直弼くらいのものである。
本書は、父直勝の代から論をおこし、文化による徳川家の権威向上という永井家の役割を、バックグラウンドとして概観したのち、民政や朝廷との折衝において活躍した、政治家としての尚政の生涯をたどる。
また、尚政と関係が深かった佐川田昌俊・小堀遠州・松花堂昭乗についても詳述。彼ら寛永期文化人と尚政の交遊が、尚政の施政にどのように生かされたかを検証する。さらに、尚政が宇治に再興した興聖寺や、同地の茶師との関わりについても、美術品・書状などを通して考察する。
純粋な職業茶人の評伝とは一風異なる、異色の茶人伝である。
【目次】
第一章 父・永井直勝の功績
第二章 永井尚政の人物像
第三章 家老・佐川田(喜六)昌俊の連歌
第四章 新たなる遠州像と尚政
第五章 瀧本坊「空中茶室」の客・尚政
第六章 永井尚政の文化的交流
第七章 永井尚政の弟と子孫
付録 永井尚政茶会記
永井家伝来呂宋茶壺
永井尚政と名物記
永井尚政と焼物
佐川田昌俊関連資料
永井尚政略年譜(編集部)
【著者プロフィール】
深谷信子 (ふかや のぶこ)
専修大学大学院文学研究科博士後期課程修了。文学博士。
著書に『小堀遠州の茶会』(柏書房、第20回茶道文化学術奨励賞受賞)、『小堀遠州 綺麗さびの茶会』(大修館書店、2013年)などがある。
四六判 並製 304頁(カラー口絵8頁)
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